今日は、約一ヶ月間過ごしたフンザを離れる日。
朝、いつものようにレセプションに行くと
いつもとかわらずキッチンに立っているアバースがいた。彼は突然「君に、パキスタンネームをあげる。」
と言って、私にミドルネームをプレゼントしてくれた!
アバースがつけてくれた私のパキスタンネームは、
“ザハラ”
ザハラは、イスラム教の預言者ムハンマドの美しい娘の名前で
「美しい人、花」という意味のある名前なのだという。
「じゃあ、私の名前はユキ・ザハラだね。
素敵な名前をつけてくれてありがとう。嬉しい。」
そうお礼を言った。
:
お世話になった人たちとも、しばしお別れ。
オールドフンザインのオーナーと。 ニックネームは勝新太郎。 |
お世話になった、コックのアバース。 |
大好きなハイダー爺。 |
ハイダーインのオーナーの爺。
元軍人で、80歳を超えても元気な爺。
爺の笑顔と瞳は、とてもうつくしいと思う。
日に焼けた肌も、真っ白なひげも、顔に刻み込まれたしわも。
ほんとうに、素敵な年の取り方をしてる。
「また夏にくるつもりなの。夏にまた、会いましょう」
そうお別れを言うと、爺は、
「インシャアッラー(神の思し召しのままに…)」
と。
インシャアッラーは、イスラム世界の言葉で、
フンザのみんなが口癖のように使う言葉。
あした晴れるかな? 「インシャアッラー」
いつ頃杏の花咲くの? 「インシャアッラー」
またあしたね。 「インシャアッラー」
とにかく、なんでもかんでもインシャアッラー。
みーんな神様まかせなのだ。
インシャアッラー。。。都合のいい言葉だなぁ。
最初は、なんて適当なんだろうとあきれていたのだけど
聞いているうちにだんだんと、
その響きも心地よく聞こえてくるのだから不思議。
インシャラー♪
インシャラー♪
なんだかかわいい。
よく考えてみると、確かに
人生はインシャアッラーだと思う。
誰しも、どこにいても、なにをしていても、
あした何が起きるかは、誰にもわからない。
そう、神のみぞ知る。
だからこそ、身のまわりに在るものすべてに感謝する。
神様が与えてくれた今、この瞬間に感謝する。
小さなものごとに、よろこびを見いだす。
そして、与えていただいたものごとに対して
“シュクル アルハムドゥリッラー。”
(神様のお陰です)と感謝する。
フンザの人は、生きるのが上手だな、と思う。
昨日にこだわりすぎず
明日ばかり夢見るのではなく、
今をちゃんと生きてる。
なんでもかんでも「インシャアッラー」は
日本の社会では通用しないのかもしれない。
肩に力を入れないで生きる。
簡単なようで、日本にいるととても難しい。
それでも、もしも少しでも、
フンザの人たちに近づけたのなら。
インシャラシャ〜ラ〜
吹く風に争うのではなく
ただ流されるのでもなく
風とひとつになり、
その風に乗って、自分の翼で飛んでゆく。
そうやって生きていけたら
幸せが少しずつ増えていくんじゃないかな。
大事なことをたくさん教えてくれたフンザ。
シュクル アルハムドゥリッラー。
またね。
フンザの風よ、
私をまたここに運んでください。
インシャアッラー。
Y.
2017.03.28
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