9.16.2017

グッバイ、パキスタン! そして中国へ。

今日は、パキスタンを離れる日。
前回と同じように、今回も1ヶ月近い滞在だった。


3月に訪問したときは、そのほとんどをフンザでのんびり過ごしたのだけど
今回はカラチから始まり、ハイデラバード、ラーワルピンディー、ペシャワール、
チトラールにカラーシャ谷、マスツージにギルギット、
そしてフンザ、パスー、スストまで。

南から北までたっぷりとパキスタンを堪能。
パキスタンの各地を巡る大冒険であった。


それでもやっぱり
見尽くしてしまうことの出来ないのがパキスタンの面白いところ。
多民族国家のパキスタン、各地に数え切れないほど多くの民族が暮らし、
それぞれ独自の文化、慣習、言葉を持ち、顔つきも地域によってかなり異なる。
北部地域には、世界中の登山家が憧れる、雄大な山々がある。

また、行ってみたい場所がたくさん出来た。
もう一度会いたい人も、見たい景色も。


そして何よりも私は、パキスタンの人々が好きすぎるなぁ

のんびりしていて穏やかなお国柄。
明るくてお喋りで人懐っこい人々。
基本的にみんな親切で大の世話好き。
時々、もういいよ!って思うくらい(笑)
旅行者に対するおもてなしの心が素晴らしい。
そしてみんな、「日本人が大好き!」と言ってくれる。

もちろん、色々ツッコミたくなる部分もあるんだけどね。
でもそれは、生きてきた環境が違うのだから、あって当たり前のこと。


また何度だって戻ってきたい、パキスタン。
出来ることなら毎年行きたい、と思ってしまう。


パキスタンを離れるにあたって
本当に後ろ髪引かれてならないのだけど
今回はまだまだ行きたい国、一生に一度見ておきたい景色がたくさんある。
だから、立ち止まらずに前に進む。

パキスタンでも行きたい場所はまだまだあるけど
それはまた戻ってくる理由にもなるから、
楽しみは先にとっておく。




ひとまず、さようならパキスタン!

今回もたくさんたくさん感動を、ありがとう。
今まで経験したことのない、心の震える体験をさせてくれてありがとう!

パキスタンは、私にとって本当に魂の故郷。

必ずまた、戻ってきます。




出発の朝。
9時にイミグレに集合するも、手続きやらなんやで
結局出発したのは10時過ぎ。

国境越えのバスに乗り、いざ、クンジュラブ峠を越える。
実は私、陸路の国境越えはこれが初めて。少しだけドキドキ。

バスはどんどん高度を上げてゆく。

クンジュラブ峠のてっぺんまでは、約2時間の道のりだった。




この峠、頂上(国境があるところ)の標高はなんと4733m
4000m越えは、私にとって未知の世界。
前日、フンザから一緒に移動してきた台湾人のリンに
高山病予防薬をもらって飲んでいたものの、
やっぱり身体はいつもとは違う。
だるくて、頭が重くて、少し吐き気がした。
少し早歩きするだけで、息が切れる。

空気が薄くなっているのがよくわかる。

着いた時は雪がぱらぱらと降っていて、とても寒かった。
ありったけの服の装備をして外に出ると、
雲の間から次第に青空が見えてきた。





そして、今まで全くいい噂を聞かなかった、
中国側のチェックポイントへ。



荷物チェックでは、全ての荷物の中身までチェックされる。
本当に、全て。
カメラやパソコンの写真や動画まで1つ1つ、細かくチェックが入る。
スパイか何かだと疑われているのかと思うくらい。

そして、検査にあたっていた中国の軍人から一言
「中国の軍人はみんな、日本が嫌いだよ」と。

あれだけ日本人ウエルカムだったパキスタンから来たものだから
余計にこの一言にはカルチャーショックを受けた。

“この国は、早いとこ抜けよう…”
初日からそんな気持ちになってしまった。


チェックポイントでは、寒空の下8時間待たされるとか、
散々な噂を聞いていたけれど、
人が少なかったせいか、3時間ほどで済んだのが救いだった。





中国のチェックポストをくぐり抜け、それからまたバスで走る。
景色は少しずつ変わって行き、遊牧民や放牧された羊やヤギを見ることができる。
この辺りは、キルギス族の住むエリアなのだとか。



3時間ほどで、国境の街タシュクルガンに到着。

中国のイミグレのある街。
ここは、打って変わり、タジク人の土地らしい。
そして今度は、やたらと厳しい身体検査をされる。
女性検査員に個室に連れられ、手荷物の中身はもちろん全てチェックが入る。
身体検査では、ブラジャーの中や靴下の中まで調べられる始末。

それでもなんとか無事に済ませ、初の陸路国境越えを終えた。
解放されたのは、新疆時間で18時過ぎ。
中国(北京)時間では20時すぎ。
パキスタンの国境の街スストから、約9時間の長い旅路であった。






元々タシュクルガンで一泊してからカシュガルへ移動するつもりだったのだけど
通りがかりのタクシーが、カシュガルまで240元で行ってくれると言う。

同じくパキスタンからカシュガルを目指して一緒に移動してきたリーと一緒だったので
タクシーをシェアして一人120元でカシュガルへ行けるのなら
その日のうちに移動してしまおうという話になった。




タシュクルガンも標高の高い場所にあり
山に囲まれていて景色が綺麗だったのだけど
もう既に“早く中国を出たい”モードなので、特に未練もなく出発。


タシュクルガン→カシュガルの移動は
7000mを超える山々に囲まれたパミール高原を走るため
道中は広大な景色の連続。

しかし、タクシーはものすごいスピードで走っていくので
まともにシャッターを切れず。


途中には、透き通った綺麗な湖、カラクリ湖が見えた。
(写真ブレブレだけど)






カシュガルへの到着は深夜になってしまうので
リーが電話をして予約を取ってくれた。

タシュクルガンを出発して5時間ほど。
無事にカシュガルの宿に到着。


長い長い、移動の1日を終えたのだった。



Y.

2017.9.16
Kashgar Xinjiang CHINA




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